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情報理論2016

解答の方針

素朴な方針

入力記号・出力記号を $X,Y\in{0,1}$ とする。入力記号の出現確率を

\[\begin{align} P_X(0) &= q \\ P_X(1) &= 1-q \end{align}\]

とおけば、$T$ の通信路容量は $C(p) = \max_{0\leq q\leq 1} I(X;Y)$ となる。微分法を使う場合、

  1. $q$ に関する偏微分で $I(X;Y)$ を最大化する $q$ と $C(p)$ を求める
  2. $C(p)$ を $p$ で偏微分し、最大・最小値を調べる

という手順になる。この方法が一番厳密であるが、計算量が多いため時間内に解き終わるのが難しい。

対称性の利用

では、どうすれば問題を解くことができるか。問題設定をもう一度読み直してみると、通信路の対称性より、$p=0,1,\frac{1}{2}$ あたりが答えになりそうとわかる。
ここで、通信路容量の定義より必ず $C\geq0$ が成り立つ。実際に $p=1/2$ のとき、$C=0$ となるので、(1) の答えはこれである。
(2) は、

\[C_{\mathrm{max}} = \max_p \{ \max_q I(X;Y) \} = \max_q \{ \max_p I(X;Y) \}\]

が成り立つことから、相互情報量を $p$ について最大化した後、$q$ について最大化した値が答えとなる。$p$ に関する最大化は定性的に解くことができるので、この方針は比較的簡単である。

教訓

配点例

(1)(2) 各25点、50点満点

コメント欄(beta)

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  1. 例えば入力に関する対称通信路では相互情報量 $I(X;Y)$ が小さくなる…はず